平成29年度第1回 スチュワードシップ研究会「『働く株主®』で『山を動かす』~みさき投資のエンゲージメントの考え方と実例~」

開催日

平成30年1月30日(火)

ゲストスピーカー

中神康議様
みさき投資株式会社 代表取締役社長

研究会メンバー

池尾 和人
慶應義塾大学経済学部 教授、 座長
柳川 範之
東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授
河村 賢治
立教大学大学院法務研究科 教授
松尾 直彦
西村あさひ法律事務所 弁護士
大場 昭義
日本投資顧問業協会 会長

研究会専門メンバー

石川 昌秀
明治安田アセットマネジメント(株) 代表取締役社長
藏本 祐嗣
大和住銀投信投資顧問(株) 責任投資オフィサー
西  惠正
アセットマネジメントOne(株) 代表取締役社長
宮垣 直也
三井住友アセットマネジメント(株) 執行役員
湯澤 達朗
東京海上アセットマネジメント(株) 常務執行役員 運用本部長

オブザーバー

長尾 和彦
一般社団法人 日本投資顧問業協会 副会長専務理事
岡田 則之
一般社団法人 日本投資顧問業協会 特別参与

第1回のスチュワードシップ研究会は、スチュワードシップ活動に積極的に取り組んでおられる、みさき投資株式会社代表取締役社長の中神康議氏にゲスト・スピーカーとしておいで頂き、エンゲージメントの考え方や実例、資産運用業界としてエンゲージメントに取り組む意義などについてご説明頂きました。その後、参加メンバーによる自由討論が行われました。中神氏のお話の一部を、以下に紹介します。

  • ROEを分解すると、(欧米企業と比較した場合)資産回転率や財務レバレッジの違いもさることながら、大きく違うのが事業の利益率であることが分かります。事業からたたき出す利益。この稼ぐ力そのものが日本は弱い。だから、エンゲージメントはここがど真ん中ではなかろうかと考えています。
    どうやったら日本の会社の収益力は高まるのか。そこに真正面に、核心に据えたエンゲージメントをやっていきたいというのが、当社の考えです。「もの言う株主」がよく言う、余計な資産を持っているのではないか、もっとレバレッジを効かせたらいいのではないかというような話は、個々の企業としてはあるとは思いますが、総体としては核心ではなかろうと思いますし、社外取締役を入れれば経営がよくなるという話でもないだろう。当社としては、何とかこの事業の収益性を上げることに貢献していきたいという考えです。
  • みさきがとても尖っているとか「濃い」というのは、きっとコンサルティングというものがあるからだろうということだと思います。確かにそのとおりで、そういう尖った会社とかファンドというのはやはりニュープレーヤーがやっていくことが多いのではないか。私としては、「『山を動かす』研究会」でずっと昔から提唱しているような、エマージング・マネージャーズ・プログラムとか投資一任のプラットフォームみたいものをつくって、どんどんそういう人が入ってくるようになるといいと思います。
    それを見て業界大手の皆さんも、「このエンゲージメントは自分にはできるけど、これはちょっとできない」とか、「これをやればこのぐらいのリターンが期待できるのか。俺たちのブランド力や俺たちの社会的な基盤をもってすればもっとうまくできる」とか、例えばそういうケースもあると思います。まず、そういうもののショーケースをつくることが大事で、そのショーケースを見ながら、業界全体として大きなうねりになるというのがいいのではないかと思っています。

活発な意見交換により、エンゲージメントのあり方について理解、認識を深められる興味深い内容になっております。是非ご一読ください。